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2017年8月20日 (日)

只見町布沢集落の森と生きる文化を垣間見ました

 天気が気になった今年の「心の森探訪in布沢集落」の19日。布沢に向かう途中では小雨が降り、天気予報も雨でしたので、群馬県、東京都、栃木県から向かった参加者15名は不安な様子。ところが、布沢集落に着くと雨雲から青空が見えてくるなど、雨の心配がなくなりました。

1  探訪の当初予定は、「癒しの森」と「恵みの森」を探訪する予定でした。しかし、先月の只見町地方の大雨で探訪地の布沢集落は各所で土砂流出被害が起こりました。現在、集落では118名が暮らしていますが、その半数は65歳以上ということです。そんな訳で、集落民の農作物にとって大切な恵みの水が循環できるような環境に整えることが急務となっていました。

2  急きょ予定を変更させていただき、半日ですが側溝に溜った土砂を取り出す作業をすることにしました。

3  作業箇所は3カ所、2チームに別れて作業開始。水分が含んだ土砂は想像した以上に重く、普段使っていない筋肉を動かし、土砂に埋まっていたコンクリート側溝が見えた時には、ホッ!としました。

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Photo_2  9名のチームは「彦爺のカタクリの丘」と言われている傾斜した箇所。カタクリの丘になっている土砂が流出した所で作業。ここは、84歳になる小林さんが何十年前からカタクリを増やし、育ててきたカタクリが生きている集落にとっては大切な所。

6  小林さんは、“都会の者が本当にできるのか”と心配そうな顔をして作業を見ていましたが、暫くするとその緊張した顔は緩みはじめました。休憩時間には、カタクリの丘の山百合の握り拳くらいの球根がカモシカに食べられて困っている話をしてくれるようになりました。作業が終わるころ、区長さんも現地に見えて、私たちにお礼を言ってくれました。(写真は小林さん、菅家さん、刈屋さん)

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Photo_3  午後3時に作業は終わり、その後は県道の脇の側溝に移動、側溝の重いコンクリートふたを開けて、溜まった土砂を側溝からかい出した。夕食時には、刈谷さんも夕食に同席して、集落の暮らしの現状と先人から伝えられてきた風習などを紹介してくれた。

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Photo_5  翌朝の布沢集落はとても静かで、棚田と布沢川の様子は心を和ましてくれました。天気は曇りでしたが、「恵みの森」散策予定は川の水量が多く断念。「癒しの森」を散策することになりました。

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3_2  案内は地元の飯塚さん、杉やヒノキの経済林とブナの原生林の中間道を3時間ほど散策しました。

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Photo_8  生物社会のコミュティーが頭に浮かぶ感じでした。苔やキノコたちもブナを支え、コシアブラやクロモジ、ウリハダカエデ等の低木たちも適度な距離を保ってブナと生きていました。この森から布沢集落の先人は暮らしの知恵を育み、集落の文化をつくってきたようです。

Photo_9  森は秋の装いを始めていました。(報告 高橋佳夫)

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