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2016年8月21日 (日)

強者から「評論家になるな、実践者になれ!」と強いメッセージをいただいた2日間

 8月20日~21日、栃木県日光市足尾町の公営国民宿舎かじか荘において、森びと東京事務所主催で事務局と事務局スタッフ合同の拡大会議を開催し、10年後を展望して足尾と南相馬での森づくりをどうしていくかを24名が参加の中で話し合ってきました。理事会からは稲葉理事と松井理事にも参加をいただきました。

 冒頭、髙橋副理事長から日本の65歳以上の人口が3,500万人になり、スタッフの皆さんは森(自然)からのメッセージを事務局や若い世代に伝えていく時機に来ているなどとの問題提起を受けました。

P8200004 そして、2016年前半を振り返り、市民フォーラムを開催した南相馬市、栃木県ファンクラブ、千葉県ファンクラブ、森びとから開催してみての報告・感想を巡って議論をしました。成果とすると、暮らしを見直す市民が応えてくれたこと、森ともが増えて感謝ですややると決めたら最後までやり抜くこと、継続してやってほしいという意見があったことでした。課題とすると、当初は「失敗したくない」ことや「恥ずかしい」があったことや自分の立場を明確にし、思ったことをやってみるべきだということでした。

P8200006 植樹祭に関してでは、5月に開催した第35回「足尾・ふるさとの森づくり」では、味噌汁担当であった事務局の1人がスタッフの松村宗雄さんにつくり方を教わる日に遅刻をし、「1日のスケジュールが狂ってしまった」と叱責をもらった後、遅刻をしてしまった自分に矢印を向け、心を入れ替えて当日はもとより足尾の作業に積極的に関わるようになったことが報告され、相手を思い欠点を厳しく言うことが大切であることが私の胸に突き刺さりました。今年も積極的にプライベートの森づくり(桐生ロータリーアクトクラブとロータリークラブ、樹徳高校、フィリピン研修)を受け入れてきましたが、それぞれ実態をふまえて参加をされた方々の心に木を植えていくのか(「気配り・目配り・心配り」の大切さ)を体現していく難しさも語られていました。

 その後、足尾育樹グループ・足尾育苗グループ・南相馬市グループに分かれて、「10年間で培った大切な知恵と技の宝物を“森の語り部”(通訳)となって次世代に語り継ごう!」をテーマに議論をしました。

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20160821_083945 今朝、昨日の各グループでの議論の報告を受けました。足尾育樹グループの加賀スタッフからは、うれしかったこととしては「(足尾に入ると)都会に帰りたくなくなる」「身体が(足尾に行くことを要求している)」、つらかったこととしては「臼沢に黒土などを荷揚げした時」、「苗木を枯らしてしまった時」などが出されました。今後の森づくりでは、「新しいリーダーづくりと松木村をトータルに考えて、どのような森の形にしていくのかイメージをしていくこと」、そして「人がいないと作業が進まないので1人が1人を連れてくるようにしていく」ことが報告されました。

20160821_092750_2 足尾育苗グループの福田スタッフからは、うれしかったこととしては「いろんな人と出会える」、自身の課題としては「継続して活動を続けることは大前提である」などが出されました。今後としては、「成長の悪いところの調査も必要ではないか」、「みちくさ訪問者への森ともになってもらうためのアプローチが弱いのではないか」など報告がされました。

20160821_094356_2 南相馬市グループの岩橋事務局からは、うれしかったこととして「新たな人(市民)が参加をしてくれていること」「応援隊のスタッフ同士の意見交換ができてきた」、つらかったこととしては「苗木を枯らしてしまったこと」などが出されました。今後学び経験したいこととしては「育樹・育苗セミナーを開催し、苗分けのやり方や土の作り方、トレイの置き方などをプロから教わり、目から鱗が落ちたので、継続していきたい」など報告がされました。

20160821_095223 最後に、スタッフから事務局への指摘をいただきました。「最低月1回は足尾に入ろう」「(次から次に作業があるので)自分が育てた苗木を眺められる日がない」「植樹祭で参加をされた方々に、いったん木を植えると自分では動けないなどと言うけれど、植えた後に下草刈りを3年間やるという人がいるのか。俺は枯れないようにしたいから足尾に入っている」「現場を知ってほしい」など厳しい意見が出されました。スタッフの方々の足尾にかける情熱を受け止め、事務局1人ひとりができることは何かを議論し、技術継承を受けながら、指摘をいただいたことを克服していきたいと思いました。人間の都合にあわせていては決して森づくりはできず、現場に立ち自然とともに森づくりをしていくことの原点に立ち返る有意義な2日間となりました。スタッフの皆さん、大変お疲れ様でした。今後もよろしくお願い致します。(事務局・小林敬)

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