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2013年9月の15件の記事

2013年9月16日 (月)

台風18号から未来の暮らしをおもう?

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 二百二十日過ぎには台風がやってくると言われていますが、暦通りに台風18号が日本に上陸しました。台風が連れてきた雨は「数十年に一度の大雨」と言われ、各地では豪雨によって日本各地に犠牲者と被害をもたらしした。

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 台風上陸前に千葉県の相川インストラクターから写真が送られ、今年はマルチング用の藁はいりませんか、とのメッセージもありました。台風に遭わずに稲刈りが終わったようです。藁とは南相馬市の森の防潮堤に使うマルチング用のことです。相川さんは昨年秋、2トントラック一杯に藁を運んでくれましたので、今年も運ぶのかということでした。ありがとうございました。

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 来月6日に実施されます「鎮魂復興市民植樹祭」の会場は写真(盛土写真2枚)の通りです。14日の朝、現場に入って土を見てきました。盛土はコンクリート片、分別された土が他の土と混じって盛ってありました。土をよくみると台所か風呂などに使われていた思われるタイル片も混じっていました。盛土には被災された市民の暮らしの断片と様々な想いが混じっているようです。

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 市民リーダー養成講座には地元農業高校生が出席され、短い時間でしたが未来を生きる森づくりを一緒に進めていけることを嬉しく思いました。

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2013年9月13日 (金)

南相馬市の未来を担う老若男女が集う

 今日は、10月6日開催の「南相馬市鎮魂復興市民植樹祭」の成功のために、南相馬市生活環境課の開催する植樹サポーター養成講座を森びとが担わせていただきました。

 生活環境課・渡部主査の進行のもと、高橋副理事長が森びとの自己紹介とこれまでの9年間の森づくりについて、その後日本や世界で起きている異常気象と人間は森に活かされていること、“木は根、根は土がいのち”について1時間かけて提案をしました。

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P9136190 休憩をはさみ、実際の宮脇方式による植樹の仕方や当日のイメージをつけてもらうために植樹会場の図を示しながら説明をしてきました。特に30代以下の人たちは森から離れた生活をするようになり、森の恵みを暮らしに活かすことにピンとこないと思われましたので、クスノキの枯れ木を嗅いでもらい、リラックス効果や消臭効果があることを実感してもらいました。

P9136187 14時からの回には15名、18時からの回には17名の市民の方が参加をしてくれました。特に18時からの回には相馬農業高校の生徒9名が参加をしてくれ、熱心に話を聞いてくれていました。さらに講座の終了後には片づけや掃除を積極的にしてくれ、50年先、100年先のいのちを守る森の防潮堤づくりを進める私たちにとっては、本当に頼もしい仲間ができたなぁと思いました。

P9136193 明日は植樹会場を視察した後、10時の回と14時の回を開催します。南相馬市の老若男女すべての皆さんの力を結集させて、10月6日の植樹祭を成功させていきたいと決意を新たにしました。

(事務局:小林発)

2013年9月12日 (木)

「俺がやってきた行為を見ろ」そして「行動を起こせ」!

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 今日は猛暑日の秋晴れです。アパートから東京事務所へ向かう道端にも秋色が心を和ましてくれます。ムラサキシキブの実が間もなく鮮やかな紫色に化粧するようです。

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 ヤマブキも小さい元気そうな実を付けていました。

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 今日(12日)の毎日新聞(朝刊)に、足立旬子記者(「記者の目」)が「一人一人が何ができるかを考え、行動を起こせ・・・。雷鳴が胸に刺さった。」と記事の最後に感想を載せ、田中正造の「生き方や思想」を紹介しています。

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 この記事を読んで、東日本大震災とフクシマ原発事故から2年半、正造さんの命日から一週間が過ぎた今日、7日に訪れた渡良瀬遊水地にあるハート形の池がどうしてできたのかを想い出しました。

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 この池の窪んでいる所は農民たちが先祖の墓を移動させないために実力で墓を守った結果、ということでした。当初計画ではこの窪みはなかったようです。その結果、現地では先祖の墓石が残り、毎年先祖を思いやる場になっているそうです。そこにはヒガンバナが咲いていました。

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 貯水池のハート形は田中正造が言い残した「俺の書いたものを見るな。俺がやってきた行為を見よ」(毎日新聞記事)と言うことを、まさしく谷中村住民が実行した結果ではないでしょうか。

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 葦は全ての生きものが生きていくための大切な役割をしています。ところが乾燥がすすむとオギ(写真上細い茎)がはびこり、葦の棲息を脅かすと言います。

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 渡良瀬遊水池を案内してくれたわたらせ未来基金・青木さん達は、「上流に足尾の山々に深い緑が戻り、渡良瀬湿地帯の葦原にコウノトリが舞うことが私たちの夢です」と言っていました。

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 山→川→海のつながりが生きとして生けるものの生命を支えています。足立記者の訴えに少しでも応えていきたいですね。

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 昨日は鎌田、小井土、橋倉スタッフが秋から始める足尾臼沢の森づくり準備をしました。そして、明日から2日間は、南相馬市で「南相馬市鎮魂復興市民植樹リーダー養成」が始まり、私たちは市民と共にリーダーをめざします。

2013年9月 8日 (日)

渡良瀬遊水地から50年先の暮らしを考える

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 昨日、渡良瀬遊水地のほんの一部を探索し、田中正造さんの人生を垣間見てきました。「心の森探訪」には21名が参加してくれました。JR東日本宇都宮線古河駅に集合した皆さんは二台の車で渡良瀬遊水地へ移動。遊水地では私たちの到着を待っていてくれた、わたらせ未来寄金の皆さんから、田中正造さんと農民が闘ってきた歴史から昨年ラムサール条約に登録された遊水地の概要、その未来について話を伺いました。午後は、宇都宮PMC(ピース・メッセンジー・サークル)の大塚啓佑さんの案内で田中正造さんの所縁の地を訪ねてきました。

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 未来寄金代表・青木章彦さんの講義

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 谷中村跡と乾燥化による生態異変の話し

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 田中霊祀j前にて

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 田中正造記念館にて

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 雲竜寺前で逮捕された農民の志を聞く

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 惣宗寺内の啄木の詩

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  郷土博物館の田中正造銅像前にて。わたらせ未来基金の皆さん、大塚さん、星野さん案内していただきありがとうございました。

2013年9月 3日 (火)

自然の脅威からいのちを守る奇策は先人の知恵から?

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 昨日は埼玉県内と千葉県内で竜巻が発生しました。被害に遭った皆さんにお見舞い申し上げます。これで竜巻被害は三年連続となりました。日本をはじめ世界の人類は自然の脅威からいのちを守ることが急務となってきたようです。

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 明日は田中正造さんの100回目の命日です。一部の人たちの欲を実現するために自然環境や人命を奪ってきた人間の愚かな行為と戦ってきた正造さんと農民。その気持ちに近づくべく「心の森探訪」が7日開催されます。今から楽しみです。

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 ところで明治の先人たちは、「森林の民」であった日本人の文化を壊す輩に、社会に訴えてきたことがあります。例えば、南方熊楠さんは神社合祀反対運動時に、「さしも名高りし紀の国も木の国ならず、土崩れ山崩れ、洪水風害をもって常時となすに至り、少人数の懐が肥やすために村落は日を逐いて凋落し行けり」と訴えました。

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 寺田寅彦さんは、「自然の神秘とその威力を知ることが深ければ深いほど人間は自然に対して従順になり、自然に逆らう代わりに自然を師として学び、自然自身の太古以来の経験をわが物として自然の環境に適応するように努めるであろう。」「自然の充分な恩恵を甘受すると同時に自然に対する反逆を断念し、自然に順応するための経験的知識を収集し蓄積することをつとめてきた」(「日本の自然」より)、と述べています。

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 当会編集・発行の『サルと人と森』(大人の絵本)でも石川啄木は、人間本位の生き方に警鐘を鳴らしていました。先人の訴えにどう応えるのか、未来を生きる私たちは・・。

昨日、東京事務所に栗を届けてくれた千葉県森ともの皆さん、ありがとうございました。

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