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2013年3月の11件の記事

2013年3月30日 (土)

大地の痛みが分かりますか?宇梶さんに元気を頂きました

 

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 森びとインストラクターは4~5年前、千葉県内の不伐の森を散策した後にアイヌの食文化の話を宇梶静江さんから聞きました。人間が森と生きていく普通の暮らしの話では、森の恵みを頂きながらも森の脅威に畏れ、森を敬う心の話を聞きました。

 

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 本日は「宇梶静江さんを激励する集い」に出席し、森びとインストラクターの心に森と生きる種火を付けてくれたことに感謝を述べてきました。二年前の3・11後、宇梶さんは「重かったろう!、痛かったろう!」と、被災した方々と大地の木々の気持ちになって語っていました。そして大地の警告に耳を傾けてこなかった己を反省していました。

 

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 今日は冷たい空気が南下して花冷えになりました。さぞ足尾の苗木たちも花冷えに震えていたと思います。27日と28日は南相馬市へ嫁ぐコナラの身支度をしましたので、その苗木たちは小枝が切り落とされたので花冷えに相当こたえていたのではと心配でした。(写真:28日の足尾)

 

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 日比谷公園のカエデやケヤキなどは若葉が輝いていますが、間もなく足尾の苗木たちも眩しい若葉色を見せてくれるでしょう。頑張れ!苗木たち。

 

 

 

2013年3月25日 (月)

春風は小さないのちと人の心を育む?

 

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 春前線は小さないのちを育んでいます。23日、足尾では昨年蒔いたタブノキの芽が寒さで枯れてしまいましたが、春前線はその枯れた根元付近から新しい芽をだしてくれました(写真:上)

 

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 春前線の北上と共に苗床のポットには水を与えなければなりません。ところが沢水が少ないため当日は取水口の掃除を行いました。水圧を上げて苗床のコナラやミズナラに散水しました(報告:水落事務局、松村スタッフ、写真:松村スタッフ)。

 

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 東京では、南相馬市の森の防潮堤づくり応援をしているJREU本部役員の皆さんが蒔いたドングリが芽を出した、という連絡がありました(写真:下)。また、EU東京の組合員の皆さん約90名は東京都内で森の防潮堤づくりサポーターの結団式をしていました。昨年秋に蒔いた3万個のドングリが間もなく発芽するため、任命されたサポーターは本格的に始まる組合員一人2本の苗木育てをサポートする意思を固めていました。

 

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 春風は小さないのちを育み、また、人の心にもヤル気(木)を植えている様でした。春前線の北上は南相馬市民が集い憩ういのちの森の防潮堤づくり応援を盛り上げいるようです。

 

 

 

2013年3月23日 (土)

春風に乗って、原発に頼らない森と生きるライフスタイルへ着手!

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東京都近郊ではサクラが満開となりました。昨年よりも12日早い開花で「統計開始以来最速」ということです。ところでここ2~3年前から、気象の変化で多く聞こえているのが「観測史上発」「観測史上最大」そして「統計開始依頼最速」などという言葉です。この裏側には花見など四季の有り難さを早く感じ、楽しく過ごせる一時がありますが、多くが自然災害と犠牲者が生まれ、昨年は農作物生産に悪影響が出て投資家によって経済問題(世界の食糧問題までに)に発展しました。

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暮らし方を判断する基本は「気象の激変」がキーポイントのようです。このような中で当委員会は20日、第8回通常総会を東京都内で開催しました。正会員398名(1/31現在)の内331名の出席(委任状含む)で総会は進行し、昨年度の事業経過・収支決算及び会計監査そして今年の事業計画・予算が審議され承認・決定されました。また、今年度から二年間の理事も選任されました。

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質疑討論では9名の会員が発言され、発言の多くは東日本大震災に関することでした。東北の会員を中心に、3.11から既に2年を過ぎても現場の復興は遅々として進んでいないこと、特に福島では放射能の危険にさらされながらもそこに住まわざるを得ない現実への怒りと悲しみと切実な現状が語られました。

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 世界各国では常気象が猛威をふるっている昨今だからこそ、解決策のないまま原発再稼働への動きはおかしい、原発のない社会をめざそう、経済的な一定の豊かさを通り越して国や企業の利益第一の姿勢は真の豊かさではない、未来の子どもたちに「まやかしの豊かさ」のツケを残してはならない等など活発な討論が行われました。

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 また、福島県南相馬市での防潮堤づくり、仙台市荒浜海岸での防災林づくりに向けた応援を力強く進めていく発言がありました。多分、長きに亘る復興応援活動になると思いますが、当委員会は将来必ず「いのちを守る防災林」になることを願って活動してまいります。

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 今年度以降の事業は、「森と生きるライフスタイルの創造」を意識しつつ、自然に親しみ、守り、共存していくことを大切にしていこう、ということを誓い合った総会でした。総会をスムースに導いてくれた関一史(写真:下)さんありがとうございました。(以降、随時報告します)

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2013年3月18日 (月)

“気温の春”を体感していますか?

 

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 昨日の足尾・臼沢の森が黄砂に覆われたような天気でした。桜の開花があちこちで宣言されていたので、昨日は気温が16度もあったので足尾の桜の蕾も膨らんでいるのではないかとウキウキとした気持ちで観ましたが、蕾は期待を裏切りました。P3174422


しかし、鳥たちは春前線の温もりをのんびりと感じている様でした。

 

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 今日は、松村スタッフ、鎌田スタッフの三人で南相馬市へ送り出すコナラの剪定をしました。作業中に鎌田さんは、鎌田さんが住んでいる今市でも「ウグイスが鳴き始めた、しかし、鳴き声はイマイチなんだよ!」と話してくれました。

 

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 ウグイスがまだ日光市の手前にいる(手前は今市)のは、餌である虫が少ないからでしょう。気温が15度を過ぎると青虫が羽化して紋白蝶になるように、餌である虫たちが多くなればウグイスも本格的に鳴いてくれるでしょう。

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2013年3月16日 (土)

豊かさのイメージを映し出せますか?

 

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 あちこちで桜の開花宣言が出されているようです。東京都の開花宣言は本日だされましたが、これは観測史上一番早くだされました。いよいよ暖かさを身体で感じる「気温の春」が到来したようです。

 

14日は松村、岡安スタッフの二人が足尾でコナラの剪定をしてくれました。松村さんからは、「本日は快晴でしたが北風が冷たかったので、ハウスの中で剪定をしました。ハウスのおかげで快適に作業をすることができました。暖かいと心にも余裕ができて体が自然に動くような感じがしました。根切りは彼岸までの木が動き出さない前までが良いということも習得しました」と報告がありました(スタッフ:松村発)。

 

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「私の豊かさのイメージを映像にすればこうなります。ポカポカ陽気の中、妻は大根の皮をむいて漬物をつくっている。自分はミカンを袋詰めにしている。桃の花が咲き、鶏が遊び、犬は寝そべっている、そんな日なたの匂いのする景色だ。平和に不安なく暮らせれば成長なんかなくていい。」と、山下惣一さんが書いていました。(3/12『毎日新聞』夕刊)

 

 

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 来週20日、第8回通常総会が開かれるが、そこではこれからのライフスタイルを討論していきたいものです。私たちは「豊かになれたが時限爆弾(原発)の上で宴会をしているようなものだ」とも、山下さんは言っていました。豊かさは自然(森)と共に暮らしていくことかもしれない。

 

 

 

2013年3月13日 (水)

春前線と共に新年度の森づくり準備

 

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 福岡市では桜の開花宣言が出されたようです。東京は強風が吹き荒れて、鉄道等の交通規制が出されました。毎日新聞社近くに生えている河津サクラの花も強風に耐えられず、埃っぽい空間を花びらが舞っていました。今日は毎日新聞社を訪れ、岸井理事長と一週間後に開催される第8回通常総会の打ち合わせを行いました。

 

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午後2時過ぎると鎌田スタッフから作業報告の電話があり、今日の足尾では400袋の腐葉土運搬を柳澤事務局と無事に終了した、ということでした。すでに足尾では、5月18日に予定している第30回足尾・ふるさとの森づくりの準備をすすめています。

 

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9日には、鎌田スタッフと小川事務局の2名で臼沢の森用の階段のたて杭36本を作りました。そして本日運んだ腐葉土を積む場所の確保をしました。急に暖かくなったのでビニールハウス内のポット苗の散水を行い、凍っていた沢水用のパイプを使用可能にしました。(報告:小川、鎌田)

 

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 鎌田さん、小川さん、柳澤さんお疲れ様でした。

 

2013年3月 8日 (金)

まもなく東日本大震災から2年、絶対に風化をさせず、いのちを守る森の防潮堤を市民の皆さんとつくるぞ!

 翌日(4日)は、南相馬市の観光ボランティアの長谷川さんに被災地を中心に案内をしていただきました。Dscf7632
  まず、車窓から原町区の国道6号線の南相馬市と浪江町との境にある警戒区域検問所を見ました。警察車両が数台連なり、警察官が待ちかまえているなど物々しい雰囲気が出ている緊張感のある場所でした。たとえ隣の町へ行くにも許可がないと行くことができない現実を目の当たりにしました

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続いて、小高区井田川地区を訪れました。2012年4月、南相馬市小高区と原町区の一部に設定されていた警戒区域が「避難指示解除準備区域」など3つに再編されました。小高区は海抜が低く、2Km先の海まで見渡すことができるほど、家々は津波によって流されたようです。当時の状況は「黒い壁」がで襲ってきたと表現されていました。まだまだ車や廃棄物の撤去、冷蔵庫やテレビなどは路上に放置されたままでした。被災箇所によっての格差が生じており、2年経った今でも復旧が進んでいません。
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いわゆる「浜通り」と呼ばれる沿岸部にある小高区は、昼間などは通行可能だそうですが、宿泊はできないそうです。特に駅前は大きな商店街だった面影はありますが、あまり住民の方を見かけませんでした。「自分の家があるにもかかわらず、住むことができないとは・・・」と落ち込む参加者もおりました。

さらに北泉海浜総合公園にも行きました。小高い丘になっている公園の広場やアスレチック周辺の緑は残っていましたが、その他は震災前の賑わいを見せていた様子を感じることのできないほど無惨な姿になっていました。また、ここは全国屈指のサーフスポットだったらしいのですが、砂浜にも大きな影響(テトラポットのあるところまでが砂浜だったそうです)を及ぼしていました。

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 海岸の隣には大きな建物や煙突がそびえる東北電力原町火力発電所がありました。2011年3月11日、高さ18mの津波の直撃により、甚大な被害が発生したそうですが、昨年11月に試運転を再開し、まもなくに営業運転を再開する予定のようです。

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 最後は、原町区上高平芦ノ口にある足尾で育てた苗木の置き場所に行きました。昨年10月から地元の方々に育苗をしていただいて管理をしてもらっております。4月には新たに苗木を運搬予定です。

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 参加者は目の当たりにした被災に遭われた現場を思いを馳せ、南相馬市での森の防潮堤づくりを応援していく決意を改めて固めていました。 

 今回の2日間で、公益社団法人国土緑化推進機構、相双地域雇用創造推進協議会、南相馬市役所生活環境課、認定NPO法人アジアの新しい風の皆さん、そしてはらまち観光さんには大変お世話になりました。今後も一緒によろしくお願い致します。

 

 

 

2013年3月 6日 (水)

前に向かってスクラム組んで「希望の森づくり」を進める

 3月3日の「希望の森づくりシンポジウム」のパネルディスカッションでは、当委員会岸井理事長コーディネートのもと、造園家の涌井雅之さんと南相馬市桜井勝延市長の3名により「防災林再生~森林を活かしたまちづくり~」について議論が交わされました。桜井市長からは震災及び原発事故発生時の状況と現状、防災林の再生と復興に向けたまちづくりについて語られました。「3・11から何も変わっていない」という市民が多いということも言われるなど苦しい胸の内が言われました。

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 涌井さんからは自らの足で被災地を見て、「(復旧・復興は)日本人全体の課題」「未来のために何を残すのか」「(防潮林は引き波による被害を抑える効果があるので)多重防御の体制を作ることに意味がある。同時に内陸の農地にとっても価値があると思う」などと言われていました。

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 最後に涌井さんから「海と山が繋がっていること、都会と森と畑がしっかりと繋がっていることを南相馬市がモデルとなって作って欲しい」とエールが送られると、桜井市長から「そういう意気込みを持って進めていく」と力強い言葉がありました。

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 質疑は3人からありました。1人目はJR東日本の労働組合「JR東労組」の中西忍さんでした。「私たちは労働組合として、震災と原発の事故からの鉄道の復旧ということもあるが、被災地をどう支援していくのかということも課題です」「昨年から(南相馬市に送るために)組合員1人2ポット、10年間で100万本のポット苗づくりをスタートさせました」「首都圏ではポット苗置き場の確保に苦労している。私たちの育てたポット苗の置き場を予定されているのでしょうか」と意見があり、桜井市長からは「責任を持ってあたっていく」と返答がありました。

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 2人目は、地域の再生について中小企業のリーダーをされている方でした。「たくさんの方々がボランティアに来てくださり、本当に頭が下がる」「(涌井さんの提案のあった全国都市緑化フェアの招致)シンボル事業を立ち上げることによって、フロンティア事業・リーディング事業が引っ張られていくのではないか。是非それを実現するために涌井さんにお願いしたい」と意見があり、涌井さんからは「南相馬市民の方々自身が光り輝くという決心がなかったらできないんです。その決心があるのだったらお手伝いをします」と返答がありました。 

 3人目は、下江井(しもえねい)にお住まいの方でした。「海岸防災林の効果は私も良いと思っておりますが、しかし私の家は松の木や松の根がサッシを破り、今や屋敷に散乱しており、被害を増大していました。これが海水だけならば被害は軽かったかと思います」「防災林にはツバキの木を植林してはどうかと思います。ツバキは潮風にも強く、花もきれいですし、種を取り、ツバキ油もとることができます。他にもカシの木とか広葉樹もあると思います。クロマツを植林するならば、先ほどの木と併用混合林にしてはどうかと思います」と意見があり、岸井理事長と涌井さんから「海岸線はクロマツなどを植えますが、内陸には土地本来の樹種を植えていく」と返答がありました。

 シンポジウム終了後、ロビーでは千葉県の房総半島から相川インストラクターが持参して下さった約150本の菜の花・カーネーション・キンギョソウを参加者へ配布をしました。あっという間になくなってしまうほど、好評でした。

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2013年3月 4日 (月)

南相馬市の希望の森づくりがスタート!

 3月3日、19時からの開催にもかかわらず、南相馬市民文化会館(ゆめはっと)大ホールに集まった310名は、いのちと生活を守る「希望の森づくり」のために力を合わせて実現に向けて取り組んでいくことを誓い合いました。

 今回の「野馬追の里 希望の森づくりシンポジウム」は、相双地域雇用創造推進協議会の主管主催、南相馬市と森びとプロジェクト委員会の共催で開催されました。

司会は、相双地域雇用創造推進協議会事務局の林有美恵さんが落ち着いて進行をしてくださいました。

 

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 開会にあたって、主催あいさつに立った桜井勝延・南相馬市長からは「2011年3月11日、津波で636人の方々が亡くなられました。その中でまだ111名の方が戻っていない。なぜそのような中で希望の森づくりシンポジウムを開催するのかというのは、あの海岸をもう一度復旧させなければなりませんし、その際亡くなられた方々の魂を拾い上げるために我々として震災で流されたものをしっかりと礎として使えたらこの希望の森をつくりあげていきたいとの思いで昨年から国とも交渉をしてきましたが、まだ形になっておりません。今日先生方からのアドバイスをいただきながら、しっかりとした希望の森づくりとして取り組んでまいりたい」と述べられました。

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続いて、基調講演では当委員会の岸井理事長から『~震災がもたらしたもの』とのテーマで未曾有の大震災からの復興について、希望の森づくりについて、「原発に依存しないで暮らしていくことのできる社会をつくるためには我々自身のライフスタイルの見直しが世界的に問われている」など問題提起がされました。

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(フォーラムの報告は、随時ブログで発信していきます。皆さんの感想、ご意見をお待ちしております)

 

2013年3月 2日 (土)

被災した皆さんの暮らしを支えてほしいコナラたち

 

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 明日の夜は福島県南相馬市で「野馬追いの里 希望の森づくりシンポジウム」が開かれます。沿岸で働く人、沿岸で暮らす人そして沿岸で学ぶ子供たちなどのいのちを守るために、森の防潮堤が逃げる時間を稼いでくれる、また、潮風に運ばれる塩や風から農作物を守ってくれる森の防潮堤づくりを市民が主役となって進めようと、そのための問題提起と討論が行われます。ディスカッションにはパネラー・涌井雅之氏、南相馬市桜井市長そして当委員会岸井理事長が登壇します。ご期待ください。

 

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 森の防潮堤の主役は幼木たちです。私たちは昨年秋にコナラ1万本を南相馬市へ運びました。次は、4月下旬に1万本のコナラを運びます。今日はスタッフの松村さんがその準備をしてくれました。松村さんによると、報道では春一番が吹き荒れたが、足尾・松木沢
の気温は一回も”0”を上回らず真冬でした、ということです。寒風に耐えている元気なコナラは、当委員会のスタッフたちに見守られて、来月、南相馬市へ旅立ちます。松村スタッフ、寒い中の作業ありがとうございました。(写真は松村さん:中倉山と森びと広場)

 

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