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2011年12月31日 (土)

土は生物のいのちの胎盤

Pc314126  今朝は零下12度でした。この厳冬に生きるシャクナゲは葉を丸めて寒さを耐える知恵をもっています。よーく見ると葉の裏側を内側にして丸めています。多分、葉の内側を守るためでしょう。日中になって陽が射すと葉は広がり光合成をしているようです。土は凍土化していますので、必死になって耐え抜いている様に見えます。

Pc312428  凍土の表層をよく見ると、毎年、葉が枯れて落ちているのにそれが積もらないことは、土壌分解動物が落ち葉や枯れ枝などを消化し、微生物が植物の栄養素を生産しているから、ということは学んできました。10㌢程の土ができあがるには100年はかかると言われています。人災である3・11原発事故による放射性物質放出は、この100年以上にわたって作り出された命の源である土壌を剥ぎ取らなければならない事態を引き起こしました。これを放置すると内部被爆という危険が孕み、健康と生活を奪う事態に発展します。

Dscf0064 土が剥ぎ取られ、土を作り出す過程が疎外されると森(樹木)が衰弱する、ということを私たちはナラ枯れ防止で学んできました。今年は、ナラ枯れ原因(誘因・素因)を解明するために国有林内に炭をまいて衰弱した土壌を元気にして、悲鳴をあげている森を元気にする取り組みを始めました。林野庁会津管理署の皆さんをはじめ、多くの皆さんのご支援によってその第一歩を踏み出しました。

 「土壌は生物が地球から養分を得られるようにする一種の胎盤である」(『土の文明史』築地書館より)。ツグミ?かヒヨドリ?がナナカマドの実を食べています。来年は「自然(森)を生活から切り離して私たちの暮らしが成立するのか」を問う年ではないでしょうか。良いお年をお迎えください。

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