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2010年11月の16件の記事

2010年11月12日 (金)

資源は使い果たすのでなく未来を見据えてほどほどに

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 COP10では遺伝資源の奪い合いが露呈しました。その資源は土の中で生きている微生物、菌、土壌分解動物などと植物(樹木や草)だそうです。人間にとっても繁栄のエネルギーは森からつくられてきました。原油や石炭がその代表格です。木が遠くなるほどの時間をかけて森の有機物が繁栄のエネルギーの基となってくれましたが、人間はたった100年ほどでその有機物を使い果たそうとしています。その過程では酷い殺し合いや戦争が起こりました。

土の中でいのちの源である森(木)と共生している土壌分解動物や微生物そして菌などが、今、土の中で生きていけなくなっているようです。土壌の酸性化がそうさせていると言われています。ミミズはpH5以下では生きていけません。中には土の中がレモン汁の中と同様な状態に土壌が酸性化し、とても生きていけない状態になっているところもあります。これでは恵みの母たる樹は根から栄養を供給することはできません。14日に開催するキャンパスフォーラムでは、全国的に広がっているナラ枯れ、土壌の酸性化・森の衰弱に私たちは何をすべきかを探り、森を元気にする活動を拡げます。

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2010年11月10日 (水)

森の囁きに応えましょう

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 昨日はフォーラム会場の下見と会場担当者との打合せをしてきました。藤原洋記念ホールは音響設備が素晴らしく整っており、DVD上映やシンポジウムを盛り上げてくれる会場であると感じました。

会場から見える慶應義塾日吉キャンパスの「日吉の森」には1300種近い多様な生きものが棲息しているようです。フォーラムはこのような周辺地域にとってかけがえのない貴重な森に溶けこんでいけるように創りだしたいものです。

 シンポジウムでは“かけがえのない私たちのいのちと森とのつながり”、その恵みの母たる森の嘆きや怒りを聴いた私たちが“その囁きにどう応えていくべきか”を共有し合い、そもそも私たちと森は家族ではないか、年に何度か故郷の家族へ帰省するように“生きものみな家族ですから故郷(森)へ帰って家族(木)を元気にしなくてはならないのではないか”ということを質疑・討論していきたいと願っています。

 今、大切なことは机上で議論することでなく森の中に入って森の家族の一員になることではないでしょうか。皆さまの参加と討論に期待しています。

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2010年11月 7日 (日)

森の家族の一員になりませんか

Dscf3852  今日は第2回理事会が開かれました。会議は1週間後に開催するキャンパスフォーラムの最終審議をしました。会議の冒頭ではフォーラムで上映するDVD「森の女王」(第8回世界自然・野生生物映像祭ノミネート作品)を鑑賞しました。このドキュメンタリー映画は、NPO法人地球映像ネットワークのご厚意で上映されます。映画は100年前から生きている一本のイチジクの実や幹から恩恵を受けている生きものたちが生物社会を営なんでいる様子が描かれ、とても感動的なものです。その上、撮影技術的にも素晴らしいものが感じられる映像です。是非多くの皆さんに観ていただきたい映画です。

 フォーラムはDVD上映前に主催者を代表して岸井成格理事長からのあいさつ、その後、林野庁長官・皆川芳嗣氏のご来賓のあいさつを受けます。さらに林野庁からは研究保全課森林保護対策室室長・中村毅氏からの講演があり、会場からの質問にも応えてくれることになっています。日本の森を元気にしていこうとする私たちにとっては心強いものです。フォーラムを通じて私たちは森を愛する皆さんと森の家族をつくりだし、森の地球(くに)の一員になりたいと願っています。

話は変わりますが写真のように椎茸が顔をだしてくれました。これは今年5月に開催した足尾・ふるさとの森づくりのイベントで菌を打ち込んだものです。木は切られても私たちに美味しい椎茸を食べさせてくれます。事務局は猿や鹿に食べられる前に自然からの恵みを食べてみたいと思います。

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2010年11月 5日 (金)

いのちの進路は分かち合う心を養うことだ

 14日に開催する「森と生きるキャンパスフォーラム2010in慶應」のパネラーのひとりである小川眞先生が日本経済新聞(10/30・夕刊)に紹介されていました。その記事を読んで感じたことは、「欲が少なければ満足度は上がる。そんな気持ちになれば自然を見る目も違ってくるとおもいます。」(「少欲知足」という考え)という小川先生の引用は現場の声だとおもいました。それは「林は将来残るから、目先の経済的な価値にとらわれると環境や森林を守る視点を見失います。」と述べていたことは現代社会の批判だとおもいました。

フォーラムでは10年先の間伐材を有効利用するということだけでなく、100年先まで私たちが永生きできる森づくりを、広葉樹の森づくりを創り出すための討論をつくりだしたいと願っています。そのためにも小川先生は、「環境を守るにはかつてを知る世代が子供たちに昔の姿を伝えていくことが重要なのです」と述べていました。先生はPa081113 自然の異変を社会の異変を異変だと感じられるように鈍った感度を磨けあげることが私たちの義務だと訴えていました。

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2010年11月 4日 (木)

人類の進路は“いのちの森をつくろう!”へ

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 今日の夜7時のニュースは100kg以上の熊が罠にかかったことが報道されました。捕獲した地元の皆さんは“これからは人間には近寄るな!”と爆竹を鳴らしてこの熊を離してやったそうです。冬眠を前にして多くの熊をはじめとした動物たちが人里で餌を食べているニュースが報じられています。森に異変が起きていることは確かなようです。

 P8130545 14日に開催する「森と生きるキャンパスフォーラム2010in慶應」のテーマは“日本の森を元気にしよう!”です。フォーラムのシンポジウムで活動の報告と提案を行う日本熊森協会は、「自然界のことは私たち人間の浅知恵ではわからないことだらけです。・・・日本の森の生態系の頂点に位置するクマを失うことは、取り返しのつかない損失であり、森のためにも、人のためにも、何があってもクマなどの大型動物を守り残したいと思います。」(「くまもりニュース」より抜粋)と述べています。

昨日、その提案者の日本熊森協会・中本菜々さんからレジュメが送られてきました。そこでは「行き過ぎた奥山の人工林を、本来の植生である広葉樹の天然林に復元していく」「広葉樹林復元は、税金を積極的に投入して公共事業として行う」等を訴えています。森を愛する皆さんのフォーラム参加とご意見をお待ちしています。

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2010年11月 1日 (月)

小さな森が大きくなって動物たちの楽園に

 Pa311684 冬を間近にして鹿、熊たちが栄養を求めて必死なっているようです。その上、間もなく狩猟解禁になりますので日光戦場ヶ原周辺の鹿たちは禁猟区の足尾に移動し始めるでしょう。足尾・臼沢の森や松木の杜は禁猟区内にありますので、若木が食害に遭わないように柵をチェックすることが毎年の作業です。昨日はその作業を950㍍付近で行いました。

 Pa311643 今年は熊やイノシシが各地で出没しているニュースが目立ちます。先月、ブログで「キツネが歓迎」と人間の都合に合わせた表現をしましたが、キツネの都合から考えてみると“食べ物が少なくなって何とかしてくれよ”、と言っていたのかもしれません。足尾でキツネが棲息できる環境になってきたことは大事な自然の財産が蓄積されていると思いますが、奥山がテリトリーの動物にとっては冬を生き抜く食糧が少なくなっているかもしれません。あるいは木の実に元気がないのかもしれません。

Pa311669 足間のクマ、キツネはアキグミを食べますが、今年はそのグミが少ない気がします。キツネの気持ちになってみると前述したような気がしました。日本の森を元気にさせなければと願い、そんな討論を14日に開催するキャンパスフォーラムで行いたいと思います。臼沢の森も色づきはじめました。

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