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2010年10月の17件の記事

2010年10月13日 (水)

6142個のドングリにいのちを吹き込みました

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北東北・八幡平の紅葉は丁度見ごろとなってきました。みちのく事務所が苗作りをしている県民の森付近はこれからが紅葉の見頃です。そんな中私たちは10月9日(土)、岩手県民の森で第8回八幡平ふるさとの森づくり(ポット苗づくり)を開催しました。天候は曇りで雨が心配でしたが最後まで雨は降りませんでした。このポット苗づくりに参加してくれたのはJREUの盛岡、秋田、仙台の皆さんとその家族そしてOBの皆さんなど総勢125名でした。

Dscn0707 前段、事務局とスタッフは黒土に腐葉土、砂、バーク堆肥を混ぜてポット苗づくりに使う土壌づくりを行いました。開会式を行った後、昼食をとり休憩した後にポット苗づくりを始めました。作業は3班に分かれて、最初にミズナラ・コナラ・カシワの苗づくりを行いました。続いてクリを撒き、最後にはトチノキの実を撒きました。今回、ドングリたちにいのちを吹き込んだ個数はミズナラ・コナラ・カシワが4.545ポット、クリが1.024ポット、トチが573ポットで合計6.142ポット(個)でした。

苗床にはネズミなどの食害対策の一環として、クリとトチの苗木を入れたトレイの下とトレイの上部に杉の葉を掛けておきました。ミズナラなどのドングリポットを入れたトレイの下とその周囲にはニコチンエキスをジョウロで撒きました。来春の雪解け後にその効果を期待します。これからも動物との共存・共生と知恵比べが続きます。

森づくり(ポット苗づくり)に参加してくれたボランティアの皆さんありがとうございました。

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2010年10月12日 (火)

いのちを育む世界の森を元気に!

 Pa111220 森林組合で働いているSさんからメールが届きました。彼の仕事は森林現場に入って森づくりをしていますが、その彼が検討結果を来月とりまとめて予算化する「森林・林業再生プラン」に関する政府の姿勢に怒っていました。彼は、“山村を潰してしまえば林業は成り立たない。どんな高性能林業機械を導入した専業林業家だけでは日本の森林をカバーできない。”と主張していました。

確かに、このプランは経済優先・木材利用を促進していくことだけが中心になっています。「理念1:森林の有する多面的機能の持続的発揮」と基本理念が書かれていますが、現在、日本の森が衰弱している原因やその対策を通じて森の機能を発揮していく具体策が講じられていません。10年間に豊かな森林をどのように活かしていくか、ということだけがプランとなっています。100年先以上の森を元気にするための政策を進めながら生活の中に木材を利用していくという理念ではないようです。劣悪な労働環境下と現場で森と向き合って汗を流してSさんに拍手です。

Pa111188 近頃、テレビでは生物多様性の番組が目立ちます。今日は「生物多様性オフセット」なることをNHKTVは放送していました。それは企業の開発(=自然破壊)を許可する条件として自然破壊する部分の代償として自然再生する(プラス・マイナス・ゼロ)ことを義務づける、と言うことでした。疑問視する学者の方もいましたが、番組ではこの義務づけをしている国は世界で53ヶ国もあるのに日本は義務化されていない、ということを訴えかけているようでした。

ここでも生物多様性問題は経済優先が先にありました。現代はオフセット云々の対処的な考え方では地球を、生物を守ることはできないことは誰もが実感しているのではないでしょうか。世界の森は悲鳴をあげ、地球は人間の傲慢な生き方に怒っています。森の現場に立たないと秋色(森の素晴らしさ)に感動できないように、COP10もコンクリートジャングルで開催するのでなく世界の森の中で論議すると“森と生きる進路”が見えてくるかもしれません。

当委員会は、11月14日に第3回「森と生きるキャンパスフォーラム2010in慶應」を開催します。報告・討論では日本の森を元気にするための問題と課題を明確にして、対策は政府へ要望し、私たちは日本の森を元気にする運動をスタートさせたいと願っています。

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2010年10月10日 (日)

日本の文化は森と相利共生してきた生活様式?

Pa091565 昨日は秋雨の中を桐生市民の飲み水である桐生川沿いの文化に触れてきました。案内人の石島さん一行は全員で5名でした。一行はまず、天満宮からの参道であった本町通りにある織物産業が盛んな当時のレンガ蔵や木造建築を見学しました。文化の保存や案内は無償のボランティアの皆さんが楽しそうに行っていました。

その後は、桐生川の上流添いを散策して天満宮と民の生活の様子を探ってみました。そこには森や川と共に生きている民が自然の恐怖から少しでも守ってもらう救いの神が存在していたということでした。それだけに私たちは自然(森や川)の力を馬鹿にしたり、傲慢になってはならないのではないか、と言うことを改めて感じました。

Pa091587 昼食は地元女性達が作っている蕎麦を梅田地区の里で食べました。その後は和紙職人の星野増太郎さん宅を訪ね、人間は木に助けられていることと職人の技に見とれました。星野さんはもっと和紙を生活に使ってほしいと言っていました。使ってみないと和紙の有り難さが分からないとも言ってくれました。和紙一枚で寒風を防ぎ、コタツの温もりを逃がさない和紙を貼った障子の素晴らしさ、和紙に墨で書いた文や絵そして台帳などは200年~300年後も保存され、当時の文化を現代に伝えてくれています。

和紙の有り難さを感じていくひとつの方法として、大切な人、愛する人へのメッセージは和紙の名刺や手紙を渡すのも意気なようです。同行した神田インストラクターは早速、和紙の名刺を買って筆で書いた名刺を使いたいと言っていました。星野増太郎さん、忙しい中で時間を割いて素晴らしい日本の紙の文化を伝えて下さってありがとうございました。和紙の原料はコウゾですが、一年生のコウゾが和紙を何百年も人間の意志伝達に役立っています(写真)

Pa091572 午後5時半頃までの散策で感じたことは、文化は色々な切り口から触れ、考えてみるとその原点は森や川にあるような気がしました。一行は今後も桐生市の文化と歴史を探訪していくことを約束して帰路につきました。一日中車の運転をしてくれました金子さんありがとうございました。また日本の歴史にうとい私たちに民の生活から文化と歴史を案内してくれた石島さんありがとうございました。

2010年10月 8日 (金)

実を食べる鳥、雌鹿を呼ぶ雄鹿そして人に感動を与える秋色

Pa081103 青森県岩木山の紅葉は例年より一週間遅れているそうですが、森の木々は人々に感動を与えているようです。ところで今日の足尾でも今年の春植えた「森びと広場」の桜が色づきはじめました。対岸の木々も色づき、ススキの背後では秋色をさらに鮮やかにしていました。

Pa081118 昨日と今日は秋の森づくりの準備をしました。昨日の作業は岡安、大塚インストラクターが穴を掘ってくれました。今日は森戸スタッフが苗床の草取りを、私は松木の杜内の植樹会場づくりを行いました。松木の杜にはホオジロが集まり草の実を食べていました。対岸では雄鹿が声高に雌を呼んでいました。この声が聞こえてくると足尾では冬がそこにまで来ているような気がします。

明日は桐生市を散策し、「自由都市であった」と言われている桐生の文化に触れます。案内は森づくり活動に熱心な桐生市に住む石島さんです。

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2010年10月 7日 (木)

キャンパスフォーラムの準備に入りました

Pa071535  今日は清水事務局長と事務局員(済賀、小林)はフォーラム会場の下見をしました。会場は日吉にありますが、最寄り駅(東急東横線日吉駅)を降りて一同びっくりしました。一昨日まで「心の森探訪inアメリカ」でセコイアの巨木に遭い一同その巨木の前でたちすくんだ報告を昨日しましたが、慶應日吉キャンパス内には「日吉の森」があり、そこにはセコイアの仲間であるメタセコイアが生きていることに驚きました。会場の下見は担当の前野さんから説明を受け、レ事務局はフォーラム会場イアウトのイメージを描くことができるようになりました。

その後、国会議員会館を訪れてフォーラムのシンポジウムで発表する山崎誠衆議院議員、パネラー予定の松浦大悟参議院議員とシンポジウムの内容を話し合ってきました。ナラ枯れ・森の衰弱に対して何としても森を元気にする運動を市民と共に国会議員(日本の森を元気にする仲間たち)も一緒になって、できるこことからスタートさせるフォーラムにしていくことにしました。参加者皆さんの積極的なご意見をお待ちしています。

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2010年10月 5日 (火)

森に入ると立ちすくむほどの巨木と対話してきました

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精霊が宿る森に行ってきました。「心の森探訪inアメリカ」一行は本日18時10分、怪我や事故もなく帰国しました。参加者の一部の方々は現在、心にいっぱいの土産をもって夜行列車に乗っています。留守中の森と事務所を守っていただいた関係者の皆さんありがとうございました。

一行は何千年も生き抜いている樹木の偉大な力に頭が下りました。そして自然(森)の中では私たち人間が小さく、文字通り私たちは森に生かされていることを痛感させられました。この森には精霊が宿っているようでした。以前、日本民族は森に対して畏敬の念をもって相利共生していたことが分かるような探訪でした。ロスから車を飛ばし、3つの国立公園を案内してくれた西山さんありがとうございました。報告はその都度させていただきます。

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2010年10月 1日 (金)

木の偉大なパワーに触れてきます

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今日から「心の森探訪inアメリカ」の旅が始まります。12名の一行はカリフォルニア州にあるセコイア国立公園に向けて出発です。セコイア国立公園には樹高100㍍以上、樹齢3000年以上生きているセコイアオスギという巨木が生きていますが、その偉大な木に遭ってきます。

私たちは何千年も生き抜いている巨木セコイアヤオスギの不思議、木の偉大なパワーを実感したいと思います。出国する前からワクワクしています。木は根、根は土が命ですが、資料によるとセコイアオスギが何千年も生きているのは山火事と灰、樹皮とタンニンが関係しているようです。そして雪解け水の流れが大切な要因らしいです。

日本でも木は何百年も生き抜き、枯れてからも何百年も生き続けて人間や他の生物のために生き抜いています。私たちは木に生かされていることをアメリカの森で身体に浸みこませてきます。また、カリフォルニア州はワインが美味しい州ですので森の恵みを受けたワインも胃袋に入れてきます。

Tunneltree

森びと検索

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