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2010年3月の17件の記事

2010年3月30日 (火)

生命(いのち)の森を守る新たな出発へ!

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 3日目の朝は小笠原観光協会に向かい、元観光協会会長・山崎止さんと同協会・坂入祐子さんにお会いしました。観光協会では母島の固有種を守ろうとアカギ伐採を進めていますが、森の所有者を捜し当てるのが大変な作業であると言われています。私たちが母島を訪問するに当たって観光協会の皆さんに御世話になりましたが、その過程で岸井成格理事長は母島の森を所有していることが判明しました。観光協会としてはアカギ伐採を進めていくためには森所有者の承諾が必要であり、是非、岸井さんの許可がほしいと願っていました。私たち一行は岸井理事長から「戦没者慰霊碑を建立しているので確認してほしい」と頼まれていました。慰霊碑を探し当てるには地元の方に案内してもらわないと分からないと思っていましたので、両者の思いが一致して私たちは協会のお二人に案内していただきました。

P3300234 案内をしていただく過程では、観光協会が始めている悲惨な戦争を風化させないために探照投下砲台の保存をしていました。岸井さん所有の森の中にも砲台跡は3箇所もあり、当時の悲惨な様子の話を聞くことができました。砲台跡がある森には巨木と言えるカジュマルが生きていました。その後は長浜地区のトンネル入り口周辺を探し回り、岸井さんのお母さんの遺言で岸井さんが建立した戦没者慰霊碑を探し当てました。

P3300217 昼食後は、東京都最南端にある小富士周辺の自然を散策しました。

2010年3月29日 (月)

未来を見据えた森づくりが大切だ!

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 東京は冬に逆戻りという天気だそうですが今日の母島は爽やかな夏のようです。天気に恵まれた今日は母島固有種が多く棲息している原生林を観察しました。9時過ぎ、堺ケ岳登山口を出発して約6時間ほどメグロやメジロ等の鳥がさえずる原生林の中を観察しました。P3290263 広域に生きている樹木はモクタチでこの木の寿命は短く、枯れて土に還る働きをしています。そこに主木のウドノキ、アカテツ、オガサワラグワ、ホルト、ハツバキ等が原生林となって生きています。ウドノキは大人4名が手を回しても届かないほどの巨木になり、オガサワラグワも巨木であったことを物語る切り口がいくつもありました。星さんの案内によるとオガサワラグワは明治神宮の門を作製するために多く切り出されたようです。

 P3290341 この原生林で問題になっているのはアカギが増えすぎて母島固有種の樹木を弱体させていることです。戦時中、この地では昭和18年頃まで鰹節作りが盛んに行われましたが、この年頃から引き上げ者が内地へ戻ってしまうと鰹節作りは収束しました。燻り出す燃料としてアカギが鰹節作りには欠かせない木であったと言います。そのために国の政策としてアカギを植林しましたが、引き上げ以降は放置されそれが貴重な固有種を弱体化させています。現在、伐ったり薬剤を注入したりしてアカギを枯らしていますが、現場ではアカギの勢いが強いと感じました。房総のマテバシイ植林と放置による森の衰弱、杉の植林と放置による森の衰弱と同じような問題が母島では起きていました。

 案内してくれた星さんは母島固有種を絶やさないために種から苗木を育て、母島の原生林を守っていました。星さん、茂木さんありがとうございました。

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2010年3月28日 (日)

生物多様性ってなぁーに?母島に到着!

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 昨日から小笠原諸島の母島に向かっていました。現在は母島の陸地・民宿に着きました。当委員会主催の「心の森探訪in母島」が募集人員に達しませんでしたので、応募者6名が自主的に世界自然遺産候補地に行こう!となりました。

P3280239  一行6名は昨日、東京竹芝港を10時離岸したちちじま丸に乗船して約30時間経って母島に着きました。明日からは母島固有種の動植物を観察し、また、ザトウクジラが元気に泳ぐ海を育んでいる森を観察します。明日は、8時30分から約6時間の観察です。堺ケ岳から石門までの森を散策します。案内は東京都自然ガイド認定の星善男さんと茂木さんです。

 母島の固有種は外来種の樹種アカギと昆虫のグリーンアノールによって棲息危機に追い込まれようとしています。今年は生物多様性の危機に関する会議が名古屋で開催されますが、その危機的な状況を現場に立って実感できればと思っています。母島の皆さん港での歓迎ありがとうございました。今、一行は二次会で明日の散策に花を咲かせています。

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2010年3月25日 (木)

ドングリ一年生が誕生しました

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 川崎市の小学校は今日が終業式です。昨日、川崎市古川小学校を訪れましたら校庭に生えている桜は開花していました。

 P3240215 昨日は「どんぐり教室」3時間目の授業が行われました。一年生3クラス87名の授業は9時20分から始まって11時45分(休憩時間15分含む)まで、昨年蒔いたドングリが芽を出してドングリ一年生になれたことを歓び合いました。

 P3240234 1クラスずつ図工教室に集まった担任の先生と児童たちは、一年生になったドングリの木が大きくなって虫や鳥の家、たべものになったりする木の役割とその大切さを学び会いました。昆虫の食べ物である木の葉やドングリ、鳥やリスなどの家となっている幹、水を貯めている根などの写真を観ながら、そして青森びばやクスノキの臭いを嗅ぎながら私たち人間も木(森)がなければが生きていけないことを学習しました。授業の締めくくりは2年生になってもこの木を大きく育て木を植えに行こうとドングリ先生の髙橋副理事長と誓い合いました。

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2010年3月23日 (火)

耳を澄まして自然の息吹を感じ取る

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 15日から始まった索道荷揚げ第1次作業は昨日で終了しました。荷揚げした黒土土のう数は1259袋、その他単管、パレット等を950㍍地点まで荷揚げました。1週間におよぶこの作業はJREUの組合員の皆さんと事務局スタッフの皆さんが担ってくれました。長期間にわたる荷揚げ作業にご協力していただきありがとうございました。

 P3220216 筆者も1週間ぶりに「どくだみ荘」から江戸へ帰ってきました。帰路の途中、18時頃のJR日光駅近くでツバメの声がしたので夕空を見上げると数羽のツバメが1年ぶりの故郷を確かめているようでした。そう言えば昨日は春分の日の振替休日でした。「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日としての祝日でした。1週間を振り返ると、冬ごもりから目覚めた生き物たちの息吹を感じて生物を大切にする心を培った7日間でもありました。

 P3210202 第2次の荷揚げ作業は本日から始まります。足尾・松木渓谷周辺のヤシャブシ、カラマツの芽ぶきが始まり、春分の日を過ぎた自然に耳を澄まし、生き物たちの息吹を感受しながら山と心に木を植えていきます。事務局はボランティアの皆さんと気持ちの良い汗を流したいと願っています。

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2010年3月21日 (日)

丹沢のブナ林を元気にしよう!と、調査始まる

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日本の森を元気にしようと森びと神奈川県ファンクラブ一行は丹沢に登り、ブナの森を調査しました。丹沢の森は以前から衰弱しているという調査結果が発表されていました。原因は鹿、虫そして汚染物質など言われていました。

「日本の森を守る緊急提言」を提出しその実現を目指している私たちは“平成の花咲びと”となって衰退している森に炭を撒いています。その事前調査として神奈川県ファンクラブと川崎在住の千葉理事は、まず、森に入る前に事務局は財団法人神奈川県公園協会西丹沢自然教室の自然解説員から現地の様子を伺いました。担当者は「登山口から400m歩き、さらに5~10分はきついが、その後が自転車が走るほど緩やかな道に。ゴーら沢出合から20分のところにブナ枯れがある。尾根もやせており、結構きつい。そこは自然林でほとんどが県有林。」「5月の土休日はツツジの時期で朝の7時には駐車場がいっぱいになってしまう。オートキャンプ場には車が停められる。ダム広場に車を待機させる手もある。」というアドバイスをしてくれました。

 2010_0319_100237dscf7030 一行3名は展望園地手前の1060m地点で昼食し、この周辺のブナ枯れ、ブナの衰退状況を調べました。調査の中、ミツマタのきれいな花に春を感じ、登山の疲れを軽減させてくれました。少々疲れましたが、やはり現場に立ってブナの樹皮、枝そして土などを見ないと衰退状況が身体に染み込まないということがはっきりしました。報告書だけでは分かったつもりになりますが、現場に立って見ると森(ブナ等)が悲鳴をあげていることが身体に伝わってきました。

  課題は、もっと悲鳴をあげている尾根のブナ枯れを調査しなければならないこと、また、炭撒きの時期やボランティア(登山道と長時間歩行)の皆さんの絞り込みをしなければないということでした。一行は調査結果をまとめて衆議院議員・山崎誠先生に報告し、神奈川県の“平成の花咲びと”による炭撒きを具体化します。(小林事務局員発)

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2010年3月18日 (木)

創造もつかない木の力に感謝

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 「どくだみ荘」の窓から見る外は雪が電気の光に当たって光っています。今夜はストーブが離せない夜です。今日の日中は太陽の陽が気持ちよい日でした。15日から始まった索道の荷揚げ作業で土のうを438袋(18日現在)上げることができました。回を重ねることによって索道操縦者と荷揚げ担当者との呼吸が合い、荷揚げ作業が順調です。

P3170185 しかし、作業を開始してみると索道による荷揚げ時間、荷揚げ量と土のうを置く場所が当初計画とズレてしまい計画通りに荷揚げは完了しません。よって索道荷揚げ作業を延長することにしました。

3年間も傾斜のきつい狭い場所に保管しておくには安全が第一なので荷揚げ作業を延長することは仕方ありません。JREUのボランティアの皆さん毎日ありがとうございます。

 P3180195 以前にも紹介しましたが索道を支えているのはヤシャブシという木です。ヤシャブシは重量160㎏の土のうを毎日何時間も支え、上下200㍍を往復しているワイヤーロープを支えています。土のう置き場の上にはそのヤシャブシが根を岩に巻き付けています。この根がなければこの岩は転がり落ちていると思います。私たちが5年前から植えてきたこの臼沢の森の木々はこのヤシャブシのような働きをするはずです。

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2010年3月17日 (水)

いのちの森づくりは辛いが自分のために愛する人のために

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 ご無沙汰しています。昨夜は北風が強く、隙間から木枯らしが吹き込んできたようでした。昨日の関東は夏日だった様ですが「どくだみ荘」の朝はどてらを羽織っています。ここ一週間は忙しい日々でした。300名の正会員の皆さんと来賓(「伝統を未来につなげる会」「自然とオオムラサキを親しむ会」「日本熊森協会群馬県支部」「森林(やま)の会」)の皆さんで本物の森づくりの連携ができた第5回通常総会(14日)とその準備。翌日の15日からは多分、一生に一度の経験でしかない索道を操縦して荷揚げを行っています。

P3150141 15日からの作業にはJREUの皆さんのボランティアで支えられています。毎日6名が現場で荷揚げ作業に汗をかいています。そんなわけで1日の仕事が終わると私たちは早々と「どくだみ荘」に帰り、温かいお風呂につかりお湯割りの焼酎で疲れをとる日が続いています。そんなわけで活動の発信がご無沙汰してしまいました。

 今年からの植樹(足尾・臼沢の森)会場は950㍍以上の高所で行います。そのための荷揚げが始まりました。手伝ってくれている皆さんからは「初めからやってくれれば(索道による荷揚げ)良かったのになあー」と言われています。私たちは「それはそうですが4年間の地道で真面目な皆さんの森づくりに支えられて助成金が提供され、それによって索道が使えているのです」と伝えています。60年以上前の緑化事業は一人ひとりが背負子を背負って植生版を植え付けていました。この苦しい辛い作業があって私たちも木が植えられています。苦しい辛い作業は人間の欲がはげ山にしてしまった訳ですが。改めて支えてくれている団体・個人の皆さんに感謝です。今日も安全第一で荷揚げ作業をすすめます。

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2010年3月11日 (木)

ワークシェアリングで自立を高めています

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 今日は現代社会の雇用問題の解決策の見本を見た感じがしました。事務局は5月15日に開催する第17回足尾・ふるさとの森づくりに参加希望している「希望の家」(栃木県鹿沼市)を訪れました。

 森びとインストラクター第4期生・山本さんが働いている社会福祉法人希望の家では、山本さんの提案によって希望の家利用者の社会貢献活動として森づくりに参画する計画をしています。この希望の家は300名以上の利用者が生活していますが、生活している皆さんの生きがいをもってもらうことを目指して希望の家は「グリーンフォレスト」を立ち上げました。具体的には、ドングリから苗木を育て、2年~3年育てた苗木を足尾で植樹していくというものです。今日はその打ち合わせに希望の家を訪問しました。

 P3110075 家本敏治副理事長、会田施設部長、山本さんから施設を案内して頂きましたが、驚いたことは利用者の皆さんが自信をもって仕事をしていたことです。椎茸栽培、草花の生産、パン作りとユニットバス等の生産を明るく自信をもってしていました。ユニットバスやボンド充填、箱折りは機械化・オートメーション化で生産できますが、あえて機械化せずに仕事を分け合っていました。日本社会で雇用問題が叫ばれている中で、自立するためにワークシェアリングをしながら自信をもって仕事をしている様子は現代社会の見本を見たような気がしました。

 第17回足尾・ふるさとの森づくりには希望の家の皆さんが参加します。5周年記念の森づくりは希望の家の皆さんの新たな出発点になるように楽しい汗をかきたいと思いました。

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2010年3月10日 (水)

仲間同士の作業呼吸が安全を守り事故も防ぐ

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 ブログを書いている今、どくだみ荘の外は北風がゴォーゴォーとうなっています。今日も戻り冬日でした。950㍍に敷いたパレットが飛ばされないかと心配です。今日は雪の降る中、午前中は森づくり5周年記念のイベント内容を話し合いました。これからは人間の素晴らしい五感を育もうという視点からイベントを考えました。事務局スタッフの皆さんからアイデアを頂き、自然の恵みとその本物の美味しさを実感してもらうことにしました。お楽しみにお待ちください。

 P3100057 午後は赤川索道㈱の担当者の方から索道の操縦方法を教えて頂きました。実習の中で大切な事として分かったことはマニアル社会の中で生活している私たちが失いかけている協働している者同士の呼吸、つまり操縦する者と合図をかける者そして荷物を吊す者との呼吸が大切であること感じました。

 P3100069 実習ではパレット、単管と二輪車そしてその付属品を荷揚げしました。パレットは15日から荷揚げする腐葉土、黒土土のう等を3年分保管しておく場所です。約80枚のパレットを上げて保管場所を作ることができました。

 作業は午後3時半に終了し、索道担当者から安全作業をするための注意事項を叩き込まれて本日の実習は終わりました。赤川索道㈱の皆さん、事務局スタッフの皆さん寒い中ありがとうございました。

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