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2009年8月の14件の記事

2009年8月13日 (木)

いのちを守っていくために、局地的集中豪雨に学ぶ

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 来週末は「09森びと親子自然教室」が開校します。事務局は今月5日~6日にかけて教室である中禅寺湖畔を下見しました。教室では、今年も人は森から生かされていることを学びます。今年は特に、日本各地で局地的な集中豪雨が降り、それも観測史上初めての降雨量によって生命(いのち)が奪われてしまっている現実に直視し、生命(いのち)を守っていくため知識を養っていきたいと思います。
 教室のある日光市(中禅寺湖畔)でも1時間に100㍉以上の雨が降りました。しかし、土石流はなかったようです。教室の下見をすると大きな岩を広葉樹の根がガッシリとガードしている場所があります(写真)。広葉樹は落ち葉で豊かな水を貯え、根で土石流を抑え、適度な水量と栄養豊富なミネラルを生物たちに供給しています。
 ところが先月の山口県の土石流現場と今月の佐用町の現場を映像で観る限り、そこには針葉樹林という共通点がある気がします。局地的な豪雨はこの二つの町ばかりではありませんので、どうしてこの地域が土砂流出したのか、と疑問を感じます。また、報道では、東京や市内ではマンホールから雨水が吹き上げ、ガード下では水浸しで車が動けなくなっていました。このように報道を見ると、下水道やガードを造った基礎は、1時間に100㍉以上の降雨があることを前提になっているのか、ということが気にかかります。
 生命(いのち)を守っていくということは、森がどのような樹木で成り立っているのか、住んでいる市や町のライフラインがどのような基準で造られてきたのか、ということを振り返ってみることが大切なことです。「親子自然教室」では、こんな事を話し合っていきたいと思います。

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2009年8月 9日 (日)

生きている幸せはみんなでつくる

 P8080144 今日の「どくだみ荘」の朝は小雨です。東北地方の梅雨明け宣言は未だのようですが、梅雨明けがあった地方も梅雨時のような雨が続き、集中豪雨を受けて犠牲者が出ている地方もあります。足尾も連日雨が降っています。草取り作業をしていると、ポット苗木の若葉が頭を垂らしています。
8月に入って撒水の心配はいらないものの、太陽からのエネルギーを得る時間が少ないので若葉を支えきれない若木が心配です。その上、ポット内では草の根が写真の様に苗木の根を覆っているので、自然(太陽)からの恵みを祈っています。
 8月に入って事務局員と事務局スタッフは連日、若木を元気にさせようと草取り作業に汗しています。しかし、若木たちは連日の降雨と日照時間が少ないこともあって元気がないようです。今日も雨の中、3人の事務局員がカッパの中で汗を流します。草取り作業の元気は今日も甲子園の高校生からいただいき、これを素に世界平和を願い、森に生かされていることへの感謝と森づくりを今日も続きます。

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2009年8月 8日 (土)

次世代へ繋げ、森に生かされていることの認識と世界平和

 Cimg0020_2 高校野球甲子園が始まりました。今日は甲子園の熱気をラジオで聴きながら事務局スタッフと草取りをしました。茨城県、千葉県代表が負けてしまいましたが、攻める野球に力が入ってしまいました。
 8月5日、修学旅行の高校生に森づくりを体験していただこうと、松尾鉱山跡地元山堆積場で八幡平市教育旅行誘致委員会と「JTB首都圏」合同による植樹が行われました。これは2年後に首都圏の高校生たちを修学旅行に誘致し、グリーンツーリズムの一環として「植樹」を旅行に組み込み、体験していただくというものです。
 当日は梅雨が明けないせいか小雨が降ったり止んだりの天気でしたが、植樹の時には雨が止み、予定していたミズナラ、ミヤマハンノキ、ヤマザクラ等10種・100本の苗木を植えました。今回の植樹は、JTBの皆さんと岩手県のホテル業者が先駆けて行い、体験したことを生徒たちや学校の担当者(教諭)に具体的かつリアルに説明できるようにと企画されました。
 これまで、みちのく事務所は高校生の修学旅行体験植樹の企画案を聞き、事務局員を中心にして土壌改良などを行い、万全に受け入れられる態勢で臨みました。2年後に高校生を受け入れ、森と生きる人間の英知を育むことができるように、事務局はねじり鉢巻きをしめて本物の森をづくりを目指します。東京から参加されたJTBの皆さん、教育誘致委員会の皆さん、ホテル業者の皆さんお疲れ様でした。
 今日は、世界平和を願って一分間の黙祷と合掌をしました。Cimg0035

2009年8月 3日 (月)

ブナの森は日本人の原点だ!

P8010142  内閣府の世論調査によると「生物多様性という言葉を聞いたこともない、という回答が61.5%に上がった」、と報道されていました(2日付・「毎日新聞」)。報道では、調査対象は全国の20歳以上の男女3千人で、回答は1919名から得たものです。地球上に存在している多様な生物はそれぞれがかかわりあってバランスを保ち、それに生かされている私たちですが、回答者の過半数以上がこの事を知らないという結果は寂しいものです。
 梅雨明けが宣言されていない地域が未だある8月に入りました。一昨日(1日)はみちのく事務所主催の第2回「森びと塾」が実施されました。会場は岩手県八幡平市にある葛根田川源流。学習の狙いは、①本物の森を身体に染み込ませること、②森を守っていくことはどんな活動があるのか、というふたつでした。先生は「八幡平の葛根田ブナ原生林を守る会」の白藤力さんにお願いしました。
 一行は盛岡から車で現地に入り、白藤さんが市民と共にブナの原生林を開発から守ってきた森の入り口を散策し、白藤さんを中心にしたNPO法人の活動の一端を学んできました。白藤さんは、1986年から、「葛根田川源流部ブナ原生林伐採計画反対」、1992年から「国見スキーリゾート計画反対」、1996年から「一般県道雫石東八幡平線(通称・奥産道)反対」運動を進め、これらの計画全てを撤回してきました。
 散策は、滝ノ上温泉から山に入り、1時間程登ったところで生きたいてたブナの原生林(幹の周囲410㌢)の前まで。受講者はその前に立ち、白藤さんから日本の原点を守り抜いた話を聞きました。話のなかからは、白藤さんのブナ原生林を守る日本人の闘志を垣間見ることができました。白藤さんありがとうございました。P8010135

森びと検索

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