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2008年8月の15件の記事

2008年8月31日 (日)

ドイツ直送便~その1

 ドイツ千年の森探訪がはじまりまた。  今日はハンブルグです。 森びとからは八人参加しています。 案内は全行程前ハノーバー副学長ポットさん。 港街ハンブルグでトーマス マンの人柄を訪ねました。 明日はハノーバーです。お楽しみに・・。
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2008年8月29日 (金)

「望星の森」は人を育てる・・・08キャンパスフォーラムその④

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 第2部の2番手は東京都渋谷区にある東海大学付属望星高等学校。宮村教諭から生徒達が紹介され、3名の生徒達はDVDで望星の森づくり活動を報告しました。間伐作業、植樹そして高い屋根に登っての除雪ボランティァをしている活動が報告されました。その後、高等学校の授業で得られている人づくりと森づくりについて、宮村先生は熱く語ってくれました。
 中学校を卒業した後、どこにも行けない子たちが望星高校に入学しました。この生徒達と森に通い、森に入って草を刈り、穴を掘って、木を植えました。下を向いてゲームをやっていた生徒が森に入ると大きな声を出し、汗を流すようになりました。生徒たちは明るくなりました。生徒たちは一回森に入ると、その三分の二はリピーターとなって森に通います。色々なハンデがあっても森に入るとみんな同じになってしまいます。これが望星の森です。高校を卒業した生徒の一部は東海大学に通えるようになっています。
 さらに先生は、“森は人を育てていることが明確です。私が自信をもって言えることは、森の価値は木を生産・販売すだけでなく、森には人を育てるエネルギーが宿り、人間は本能的にその力を身体に染み込ませていく、というすばらしい価値が孕んでいる”、と語ってくれました。
 26日、渋谷区内に本社がある㈱ingの竹永社長と山口社員が当委員会の事務所を訪ねてくれました。その目的は、19日に開いた若者たちのあるイベントで集めたカンパを、森づくりに活かしたいということでした。カンパは女子高校生が中心になって集めまた、と言っていました。
 環境(場)が変われば意識も変わり、ヤル気もでてきます。若者たちがヤル気を出せるのは、大人達の環境(場)づくりにかかっているような気がしました。

2008年8月27日 (水)

森からの恵みと自然の怖さ、そして人の優しさを探し当てた自然教室

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 「08親子自然教室」の感想文が新宿事務所に届きました。親と子どもたちからの感想です。
 最初にお父さんの感想を紹介します。「3日間を通じて親と子の絆を強めることができました。また、子供の成長を見ることができました。あんなに友達をつくるのが上手なのかと思いました。この息子たちが未来をつくるのだと思うと、しっかり育てなければと考えさせられました。これがキャンプで得た私(親)の宝物でした。息子は数百年もの長い時間で森がつくられていることを教えられ、夏休みの作文に『森は雨をつくる』と書いていました。しっかり学んでいる息子への愛が深まりました」。
 女の子からは、「おはし、ランタン、お皿作りたいへんでした。でも楽しかったです。二日目の山登り、スケッチブックにまとめて、たんけんするのはつらかったけれど、楽しかったです。湖についてから、おべん当を食べて、湖で少し遊んですいかわり、すいかわりはあたりませんでした。でも楽しかったです。歩いているとき、かみなりゴロゴロ。ちょっぴりこわかったです。でもおんせん入れてよかったです。お友だちもいっぱいできたし、楽しかったです。三日目の虫を見つけるお勉強、虫がいっぱいいました。しぜんの虫っていっぱいいるのですね。一番の思い出になっています」、と書かれていました。
 「千年の森」に入り、木に触れ、虫と戯れ、そして一緒に過ごした親子と子どもたち。森から、人からたくさんの宝物を探し当てた自然教室でした。

2008年8月24日 (日)

足尾ふるさとの木を調査しました

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 本日、事務局と森びとインストラクター4名は足尾で植樹している山の頂上から中禅寺湖側(北側)の樹木を調査しました。
7時20分、天候は雨、一行は「森びと広場」を出発。標高700㍍程の地点から植樹会場を一気に直登しました。植樹会場内は階段がありますが、その上は(来年以降の植樹会場)はカヤ、ススキ等の草が覆い茂って道はありません。雨で草が滑る中を5名の仲間達は傾斜30度ほどの道無き道を登っていきました。熊もしくはカモシカが通った跡(?)に沿って登り、45分程で1000㍍地点に到着しました。その後ももくもくと登り、山頂までの所要時間は90分、標高は約1170㍍でした。
 山頂から眺める松木沢側の山々はガスがかかって見えませんでした。集合写真を撮ってから、早速中禅寺湖側の樹木調査をしました。一言で言うと「ヤシャブシの森」と言えます。森を形成している樹木は殆どがヤシャブシでした。その他には、ウダイカンバ(写真・下)、アキグミ、リョウブ等でした。ウダイカンバの直径は約50数㌢でしたので、緑化事業が始まった50数年前頃に根付いた樹木であると推察しました。
 北東側には動物たちの「レストラン」が作られていました。このレストランは、熊やカモシカ、シカ達がご馳走になるアキグミが十数本生えているところです。実が熟すのを待ちきれずにいるのか、アキグミの木が折れていたり、周辺の草が根元から折れていました。
 下山は阿蘇沢を目指してヤシャブシとリョウブの森の稜線を下りました。シトシトと雨が降っていますが、雨水の勢いが土砂を流してしまう状況ではありませんでした。樹木や草がしっかりと土砂をガードしている様子を見ることができました。50年間以上の緑化事業に従事した皆さんの辛い作業に頭が下がる思いでした。
 下山した5名は「森びと広場」の小屋の中で昼食を食べながら会話で、今日、登った山の名前は地図に記載されていないので我々が命名しようとなりました。しかし、煙害で廃村に追い込まれていった旧松木村の村人の間では「○○山」と、名前があったのではないかとなり、調べてみることにしました。
 ふるさとの森の主木はどんな木であったのか、を調査するために登山しましたが、ひと山登ったぐらいでは解りませんでした。調査を終えて感じたことは、人間が犯してしまった自然破壊の傷跡は奥が深いこと、さらには、この傷跡に自分の力によって未来に向かって生長し続けている自然のエネルギーを、人間のものにすることはできないということでした。

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2008年8月23日 (土)

見えにくい努力に生かされていることに感謝

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 昨日(22日)は苗床の草取りをしました。足尾は肌寒い朝でしたが、日本対韓国戦(野球)のオリンピック放送を聴きながら応援に力を入れ、草取りをはじめました。この作業には鹿沼市に住んでいる大手さんが協力してくれました。大手さんは3年前に会社を退職、その後は年金暮らしをしている方です。これまでも何度かボランティァ作業に参加してくれていますので、作業は手慣れたものでした。
 苗床の草取りは6月に行いましたが、ポットの中には若木の根を絞め殺すほどの草の根がはびこってしまいました。特に、イネ科の草(写真はイネ科ではありません)は根が深く、この根はポット内全体を覆ってしまいます。若木の根はポットとこの根によって二重に覆われ、首を絞められている感じです。水や酸素もこの草の根に吸収されてしまい、若木はやせ細るばかりでした。草取りはポット内の土が乾燥しているとスムースに根を取ることはできません。旧盆から雨が降っていますのでポット内は水分が保たれ、草取りは容易にできました。
 若木の根は動けません。若木はポット内で根を張り巡らし、1~2年後には大地に自分の力で私たちの未来のために生命(いのち)の森をつってくれます。草取り作業は、自然と人間の生命(いのち)を大切にしたいと、多くの方が蒔いてくれたドングリの命を絶やさない大切な作業です。森林ボランティア活動をしている大手さんは、このような大切な作業を各地で行っているそうです。23日には湯元スキー場に生い茂っているオオハンゴン草(外来種)を抜き去る作業に参加するそうです。大手さんの下向きな生き方とお会いして、見えにくい地道な努力で私たちは生かされていることを改めて考えさせられました。ありがとうございました。
最後に、「1年先を考えるならば種をまけ、10年先を考えるならば木をうえよ、100年先を考えるならば人を育てよ」(中国のことわざ)。

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2008年8月20日 (水)

大人の責任で森のプロ育成を!・・・08キャンパスフォーラム~その③

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 地球の自然と社会環境が病んでいる現状が足立記者と藤原先生から訴えられた第1部。この否定的な現状に対して若者たちが挑戦している報告は第2部で行われました。
 一番バッターは岩手県から参加してくれた盛岡農業高等学校の4名の生徒達。生徒達からはチェンソーを使った間伐から製材そして椎茸作り等の実習、誰でも、どこでも簡単にできる森づくりを目指したペットボトルを使った苗木作り、強酸性土壌で木々の生長が厳しい広大な旧松尾鉱山跡地でのダケカンバ植樹の報告がされました。彼らは、近い将来は森の専門家を目指したい、と述べていました。
 近藤教諭からは、全国的に“森”と“林”がついた学科のある高校が減少の一途をたどっている現状、そのうえ森の専門家を目指している生徒達の進路選択の前には分厚く大きな壁が存在していることが訴えられました。「50年代には本校からも多くの先輩達が県内の林業関係、県庁などへ就職できましたが、ここ数年は3~4名程度でしかありません。行政も林業支援に手を打っていますが、林業の低迷で就職先がない、と言っても過言ではありません。また、就職できた本校のOB生徒の賃金は月14万円程度であり、そのうえ労働環境が厳しいという状況では森の専門家を育てられません。森林で働ける社会を切に願っています」と、先生は訴えていました。
 数年後、林野庁は法人化されようとしています。そこには地球の未来を守る若者たちの「森のプロ育成」が見えません。林業の衰退は政治の結果です。地球が病んでいることも政治の結果であり、それは大人の責任です。第2部では、生徒達から大人達へ政治課題が突きつけられました。100年後、若者たちが森とともに生きられる環境は、大人達のできることからはじめる「実践」にかかっているようです。

2008年8月17日 (日)

生きる武器は森の中から蓄えられる

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 14日、友人夫妻と黒斑山に登りました。この山は天然カラマツ群落が保護され、浅間山第一外輪山の最高峰(2404㍍)です。黒斑山から浅間山を遠望しようと登りました。
 浅間山は東西南北から見ると一本の木も生えていないように見えます。実際、低いすそ野部分に木が生えている程度ですが、今回、登ってみてすそ野部分ではあれ素晴らしい森のエネルギーを感じました。車坂峠かから黒斑山までの表コースには火砕流後の裸地から火山植生へと植物が定着している様子が分かります。観察をしながらの登山であったので、黒斑山頂上へは2時間程かかりました。頂上から見た活火山の浅間山は外輪山の植物群からしっかり支えられていると感じ、この植物群は下流の人々に豊かな水を蓄え、動物たちには餌や棲み家を与え、未来へ命をつないでいることが実感しました。そんな自然の教えを語り合いながらコーヒー、紅茶を美味しくいただきました。
 下山は中コースを歩きました。木々は針葉樹が多く、コメツガ、オオツガ、シャクナゲ、そして通称「天カラ」と言われている樹高20㍍以上の天然カラマツが目につきました。途中、倒木と化したカラマツの上から10本以上の若木が活き活きと根を張って生きていることに感動し、山道の周りにはオオツガダケというキノコも生えていることに自然の恵みを感じ、「自然は、自分の力で未来に向かって生長していくことができるエネルギーをもっている」というフォーラムでの訴えを実感しました。
 敗戦63年目の日は、『浅間山』(郷土出版社)をパラパラと乱読しました。敗戦日と言うこともあって浅間山を舞台にした歴史に目がいきました。現在の浅間山周辺はリゾート地、キャベツの生産地として知られていますが、戦時下では本土決戦に備えて陸軍の演習場等が設置され、兵隊の食糧供給のために朝鮮人を中心とした農耕隊が浅間山周辺を開墾しました。また、敗戦年の8月には、太平洋戦争時の特攻隊の西川中尉は、部下たちを南方へ送り、敗戦によって生き残った自分を責めて、戦闘機ともどもに故郷の浅間山で自爆しました。それから8年後には、浅間山での米軍用演習地化が政府によって検討されましたが、「郷土のシンボル浅間山をまもれ」を合い言葉にした県民、労働組合、学者達の反対運動によって演習場使用は取り消されました。
 これからも地球とともに生きていられることの幸せを享受していくためには、地球が病んでいる現実に対して、できることをやっていくという「実践」が改めて感じられた乱読でした。

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2008年8月15日 (金)

私たちは自然のエネルギーに感謝を・・・08キャンパスフォーラム~その②

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 フォーラム第一部の二人目の講師は藤原一繪先生(横浜国立大学教授)でした。藤原先生は講演の前段、地球で起こっている人間による森林破壊の現状報告、続いて、自然災害や人災から命を守る森林の役割を歴史的に実証しました。その上で藤原先生は、人間が生きていくうえで人間と森林とのつながりの重要性を提起しました。
 横浜市内の気温が33度であれば横国大キャンパスは30度、校内の森の中では29度です。これは30数年前にはじめた横国大の森の力です。この森は火事にも強く、避難場所でもあり、人間の命が救われる場所です。勿論、この森は炭酸ガスも吸収しています、と藤原先生は述べ、私たちにとって重要なことは、自然が素晴らしいと感じた時を忘れないことです、と訴えていました。さらに藤原先生は、自然は自分の力で未来に向かって生長していくことができるエネルギーをもっています。今、できることをからはじめていくことが大切です、と訴えていました。
 感じたことを実践していくこは簡単なようで難しいことです。実践するには時間とお金もかかります。しかし、地球が私たちに求めていることは、自分のできる範囲からはじめていかなくてはならない、ということではないでしょうか。
 千年の森のエネルギーを感じ取った「親子自然教室」の子どもたち。未来の子どもたちのために、千葉県一宮市から孫と孫の友達を連れて「親子自然教室」に参加した斉藤さんの心は、藤原先生の訴えに応えているようでした。

2008年8月11日 (月)

 森の友達は小さな虫たちだ!

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 自然教室最終日は森の友達を探しました。昨日(9日)、子どもたちは千年も生きているミズナラの落ち葉を紙袋一杯拾ってきました。これを白い紙の上でフルイにかけ、落ち葉の中にいる森の友達を探しました。
 「千年も生きているミズナラの落ち葉はどうして無くなってしまうのか」、と松井事務局長から問いかけられた子どもたち。「ヒントは落ち葉の中にあるよ」と言われた子どもたちは、ピンセットを持って目を落ち葉に集中、その瞬間、「いたいた!」と声が出始めました。30分程で土壌分解動物の15種を採取、それをスケッチブックに拡大描写しました。千年以上も落ち葉を分解している動物たちを発見することができた子どもたちの顔は真剣そのものでした。
 続いて、子ともたちは顕微鏡を覗いて肉眼では見えないダニを見ました。「このダニが千年生きている木の栄養を作っているのですよ」と言われ、子どもたちはまたびっくりした様子。授業では、森は目に見えない分解動物たちによって生かされ、私たちはこの森に生かされていることを体感することができたようです。
 昼食はそうめん流しです。スタッフの皆さんが作ってくれた美味しいそうめんを竹のお椀に一杯入れ、食べ終わらないうちに箸でそうめんをつかもうとする子どもたち。大人たちも一緒になって美味しいそうめんをご馳走になりました。14時からは閉校式、友達と学んだ森の宝物と森の友達を振り返り、来年の再会を誓って08年「森びと親子自然教室」は修了しました。地球を危機に追い込んでいる責任は大人たちにあります。その原因は無責任な政治とこの政治を許している大人です。子ぢもたちの未来と地球を救うのも大人たちです。子どもたちと過ごした三日間を通じて、改めて森に生かされていることの大切さを身体にすり込みました。
 怪我も事故もなく学んだ三日間を運営してくれました看護師さん、美味しい料理を用意してくれたスタッフのみなさん、そしてクラスリーダーの高杉さん、サブの竹内さんありがとうございました。

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2008年8月10日 (日)

森は友達だ!スケッチブックに宝物を満載

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 天気は快晴、全員元気に千手ケ浜へ出発です。一行は900年間生きているミズナラの巨木が形成している「千年の森」(私たちが命名している森です)の中を、宮下先生と共に宝物を探しました。4㎞の道のりのなかでは沢山の宝物を発見し、スケッチブックに書きとどめました。「森は雨をつくり、雨が降らなくなると森は消えてしまう」という話を聞き、私たちにとって森は大切な宝物であることを学びました。約4時間の宝物探しは全員が完走しました。二歳の男の子もお母さんに抱っこされながらの完走でした。
 帰り道では男体山の上で鳴っている雷音に身体を震わせ、自然の恐ろしさを感じました。その後は、キャンプ場近くの温泉で疲れを流しました。夕食はバーベキュー、小口料理長とスタッフの皆さんが腕をふるって作ってくれた肉料理に子どもたちは満足顔でした。19時30分からは「森のミニコンサート」が始まり、Choji(チョージ)さんのライブを楽しみました。昨日はキャンプ場のテントサイトは満杯ですので、周りの皆さんにもコンサートの案内をし、私たち以外のキャンパーたちと「心の森」等の歌を唱いました。
 森に生かされていることを実感し、森の恵みを体感した後の「心の森」の合唱は、子どもたちの身体に“人は森とともに生きていかなければならない”、ということをすり込んでいました。
 最終日の朝、子どもたちは5時から行動を開始しています。本日の授業は森の友達(土壌動物探し)を探し当てます。(訂正:昨日のブログ内の長崎の原爆投下は9日でした)

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森びと検索

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